型吹き
内部の温度が1,500度にも達するという大きな窯の中で溶かされた
ガラス生地を少しずつ吹き竿に巻き取り、専用の金型の中で
息を吹き込み成形されます。特殊な型油を用いて粉末コルクを繰り返し
塗り炙ることで、金型の内側には薄い炭素の層ができます。
そこに水を含ませ、高温のガラス生地を吹き込むことにより、
瞬間的に水蒸気の膜ができるため、成形されたガラスの表面が
なめらかですべすべとした質感になります。
田島硝子は江戸硝子の技術を継承し、さまざまな硝子食器を製造してまいりました。
職人が一つひとつ丹精込めてつくりあげる「江戸硝子」と、江戸硝子に模様を施した「江戸切子」。
田島硝子が手がける伝統工芸と、その技術をご紹介します。
「江戸硝子」とは、江戸時代に生まれた硝子製法を受け継ぎ、手づくりで製造されたガラス製品です。
18世紀序盤に鏡や眼鏡等を製造したのがはじまりとされており、
明治初期には欧州の技術の導入によって多様なニーズへの対応が可能となり、東京の地場産業として発展しました。
江戸硝子は機械による大量生産品とは異なり、すべての製品がオリジナルの1点もので、
手づくりだからこそ出せる深みや味わい、デザイン性の高さが特徴です。
1,400℃ほどの高温で溶かされたガラスを鉄製の棹(さお)で巻き取った後、
「吹き」「押し」「延ばし」などの技術を用いてさまざまな器を形づくっていきます。
「江戸硝子」は2002年(平成14年)に東京都伝統工芸品、2014年(平成26年)には経産省より国の伝統的工芸品に指定されました。
「江戸切子」とは、江戸硝子に切子加工を行った製品です。透明、もしくはガラスに色を重ねた「被せ硝子」の表面に、
工業用ダイヤモンドなどで模様をつけていきます。最後の仕上げとなる「磨き」の工程では、
一般的には薬品を使用した「酸磨き」が行われていますが、田島硝子はすべて手磨きを行い、
硝子の繊細な色や精緻なカット模様を表現しています。
熟練した職人の手作業が施された江戸切子は、キラキラと美しい輝きが特徴です。
「江戸切子」は1985年(昭和60年)に東京都伝統工芸品、2002年(平成14年)には
経産省より国の伝統的工芸品に指定されました。
江戸硝子には様々な技術があります。
田島硝子では型吹き、細足、モール、被せ、延ばしの技術を継承しています。
また、工場内では江戸切子の製造も行っています。
内部の温度が1,500度にも達するという大きな窯の中で溶かされた
ガラス生地を少しずつ吹き竿に巻き取り、専用の金型の中で
息を吹き込み成形されます。特殊な型油を用いて粉末コルクを繰り返し
塗り炙ることで、金型の内側には薄い炭素の層ができます。
そこに水を含ませ、高温のガラス生地を吹き込むことにより、
瞬間的に水蒸気の膜ができるため、成形されたガラスの表面が
なめらかですべすべとした質感になります。
ガラス素地を覆うように色ガラスを重ねて熔着する技法です。
内側に色ガラスを重ねたときは内被せ硝子、
外側に色ガラスを重ねたときは外被せ硝子といいます。
江戸切子やサンドブラスト制作の素材として利用されています。
手延ばし技法とは、溶けた熱いガラスを棹に巻き取りハサミで切り落とし、
枠型に沿って、金属の物差しのような延ばし用具で形を整え、
形状型の上に乗せて成型する方法です。
型吹きしたグラスなどにステム部分(ワイングラスなどの足の部分)
を付ける技法です。
吹いた熱いガラスを冷水の中に入れ急冷して強制的に氷を砕いたような
網目状の模様を表現する技法です。
熟練したガラス職人のみが生み出すことのできる、
江戸硝子の代表的な技法のひとつです。
グラスに模様を付ける技法です。
型吹きする前にこのモール型にガラスを入れます。
出来上がったグラスには凹凸ができ、光の反射でキラキラと輝きます。
模様の見当となる横線・縦線を硝子に引き、
工業用ダイヤモンドで硝子を削って模様をつけます。
砥石、磨き粉(細かい石の粒子)で硝子のカット面を磨きます。
一般的に磨きは、酸磨き(薬品処理)と手磨きが行われています。
当社の製品は全て手磨きで磨きを行っており、硝子の繊細な
色や細かいカット模様を表現しています。技術の詳細は、
江戸切子協同組合ホームページをご参照ください。